英語や外国語に興味を持って少し勉強し始めると、実にさまざまな表現方法があることに驚かされます。そんなユニークなイディオムを少しずつ知っていくのも、英語を学ぶ醍醐味の一つではないでしょうか?
今回は無数にある表現の中から、 ネイティブもよく使う面白い表現を17個ご紹介します。どれもすぐに使えるものばかりで、これを知れば英語の世界がぐっと広がり、英語がますます好きになること間違いなしです。
では、さっそく見ていきましょう!
ビジネスで使える英語表現
1. Burning the midnight oil
意味:夜遅くまで取り組む
かつて夜遅くまで何かをするためには電気ではなく、ランプで油を燃やす必要があったことが語源です。西部開拓期に幌馬車で移動しながら暮らす家族を描いた米国のドラマ「大草原の小さな家」をイメージするのは私だけでしょうか?
例文:I had to burn the midnight oil to finish that project for today's deadline.
訳文:今日の締切りに間に合わせるために夜中まで頑張ったよ。
2. Bite the bullet
意味:困難に立ち向かう、我慢する
かつて歯医者での治療において、患者が弾丸を歯に挟んで痛みをこらえたことが起源といわれることもありますが、真偽は不明です。ニュアンスとしては、これまで先延ばしにしてきたことを観念して行う意味を含んでいます。「やるしかない」というイメージですね。
例文:I really don’t want to work this weekend but I guess I just have to bite the bullet.
訳文:今週末は働きたくないけど、やるしかないよ。
3. Cut corners
意味:手抜きをする
本来なら道を曲がるときにきちんと直角に進まなければならないのに、手前から曲がって最短距離を行こうとすることって誰にでもありますよね...?まさにそのイメージです。安全で確実な方法をとらないことを指して、ビジネスでも多用される表現です。
例文:It is a very important project and we don’t want to cut corners.
訳文:とても大切なプロジェクトだから、手抜きはしたくないんだ。
4. Hit the ground running
意味:(新しいことに)全力で取り組む
一説によると、もともとは戦場で銃弾を避けるために「走ったり、伏せたりする」様子を描写するのに使われたとか。新しいことに取り組む際に熱意やエネルギーを傾けること、さらに最初から結果を出すという意味も含むこともあります。
例文:I'll really need to hit the ground running.
訳文:本格的にやらないとダメだね。
5. Back to the drawing board
意味:最初からやり直す
「drawing board」とは、「製図板」のことを指します。つまり、もう一度製図板での作業に戻って練り直そうというイメージです。
例文:Let’s go back to the drawing board and give it one more try!
訳文:振り出しに戻って、もう一度やり直そう!
6. In the same boat
意味:同じ状況にある、特に苦労を共有している
同じボートに乗っていれば困難も同じように経験します。相手が大変な状況にあるとき、「自分も同じだよ」と共感を示すときにもよく使われます。
たとえば、明日のプレゼンに向けて準備している同僚が「やばい、絶対間に合わないよ」と言っているのに対して、こんな風に返答してみましょう。
例文:I′m in the same boat. I wish we had more time to prepare.
訳文:僕も同じ。もっと準備の時間があったら良いのになあ。
7. Cold call
意味:これまで接触したことがない顧客にアプローチすること
「Cold 」とは、相手の度合いやニーズが分からない状態を指しています。マーケティングでは効率が悪い手法とみなされることが多いようです。
例文:We decided to cold call local businesses to promote our new service.
訳文:地元の企業にテレアポをして新サービスを宣伝することにした。
8. Take it with a grain of salt
意味:疑ってかかる、半信半疑で聞く
このフレーズはもともと古代ローマの博物学者である大プリニウスの「博物詩」に登場する一節で、その中では「解毒剤になる」という意味で使われていました。しかし、それがのちに17世紀頃から「疑って物事を受け入れる」というニュアンスに転じたそうです。
例文: I'd take his advice with a grain of salt.
訳文例文:彼のアドバイスをまともには受け取ってないよ。
9. A blessing in disguise
意味:ネガティブに見えて実はメリットがある、一見不幸に見えて実は幸福
直訳すると「祝福が変装している」という意味。こういうことって人生にはたくさんありますよね。たとえば、失業すること自体は一見不幸に見えても、時間に余裕が生まれて家族とゆっくり時間を過ごせたり、自分を見直すことができたりすれば、それは実は幸福につながることかもしれません。
例文:You losing your job might be a blessing in disguise. You’ve always dreamed of having time to travel the world, right?
訳文:失業も悪くないかも。だってずっと世界中を旅したいって言ってたよね?
動物を使ったユニークな表現
10. The elephant in the room
意味:みんなが認識しているのにあえて触れない大きな問題、タブー
部屋の中に象がいれば誰でも分かりますが、あえてそれについて誰も触れない状況を指します。イメージすると笑えますね。
たとえば、数人の友達が集まっておしゃべりをしているとします。その中の一人が最近彼女にふられたばかりで、落ち込んでいます。その彼にとって結婚や恋愛の話はタブーであるにも関わらず、誰かが持ち出そうとした場合、「There is an elephant in the room.=空気読めよ」とたしなめるときに使えます。
例文:Ignoring the elephant in the room will only make the situation worse in the long run.
訳文:問題を無視しても、結局状況は悪化するだけ。
11. Straight from the horse’s mouth
意味:間違いのない情報源
なぜ「馬の口から直接」という表現を使うのかは諸説あるようですが、競馬において馬の調子を知るためには直接馬のところに行くか、世話をしている人たちから情報を収集するのが確かという意味で使われたことが由来といわれています。
例文:I got it straight from the horse's mouth.
訳文:本人から聞いた。
12. Crocodile tears
意味:ウソ泣き
「ワニの涙」と聞くと、日本語の「鬼の目にも涙」を連想してしまいますが、意味は全く異なります。この表現はシェークスピアの作品にも何度か登場するようですが、ズルいワニが獲物をおびき寄せるために涙を流す様子を表しています。
例文:He was crying crocodile tears at his wife's funeral.
意味:彼は奥さんの葬式でウソ泣きをしてたよ。
スポーツに由来する面白フレーズ
13. Touch base
意味:連絡をとる
もともとは野球に由来する表現のようです。ヒットを打った選手が一塁に進み、相手チームの選手となにやら雑談している場面をイメージしましょう。改まった連絡ではなく、「ラインするよ」くらいの雰囲気です。
例文:Let's touch base tomorrow to review the details.
訳文:詳細については明日また連絡しよう。
14. The ball is in your court
意味:行動する際の決定権や責任が相手にある
テニスの試合をイメージすれば意味は分かりますね。「自分たちができることはやった、あとは相手次第」というシーンでよく使われます。
例文:The ball is in their court now. They need to review our proposal and let us know their decision.
訳文:あとはクライアント次第だね。僕らの提案を検討して、決定を知らせてくれるはずだから。
15. Throw in the towel
意味:やめる、あきらめる
ボクシングの試合でリング上にタオルを投げることで「カン!カン!カーン!」とゴングが鳴り、試合が終了するシーンを思い浮かべますね。
例文:It's better to throw in the towel and consider getting a new one.
訳文:あきらめて新しいの買ったら?
16. Ballpark figure
意味:およその見積もり
「ballpark」つまり野球場の観客席を見ておよその観客数を見積もるように、正確なデータではなく、視覚的観察に基づいて概算することを表します。
例文:I don't know the exact number, but I can give you a rough ballpark figure.
訳文:正確な数字は不明ですが、およその見積もりならお出しできます。
17. Get the ball rolling
意味:(仕事や会議、プロジェクトなどを)始める
ここでのballはイギリスのクロッケーで使用するボールを指しているといわれています。クロッケーはルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」でアリスが女王様とプレーしていたスポーツで、日本のゲートボールの原型になりました。そのボールを転がす、つまり試合を始めることに由来しているようです。
例文:We better get the ball rolling on those asap.
訳文:早めに取り掛かった方が良さそうだね。
まとめ
英語のイディオムには韻を踏んでいるものが多く、発音して「心地よい」ものも多いです。ネイティブと話すときには是非使ってみてくださいね。
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著者プロフィール
YOSHINARI KAWAI
2008 年に中国に渡る。四川省成都にて中国語を学び、約 10 年に渡り、湖南省、江蘇省でディープな中国文化に触れる。その後、アフリカのガーナに1年半滞在し、英語と地元の言語トゥイ語をマスターすべく奮闘。コロナ禍で帰国を余儀なくされ、現在は福岡県在住。
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