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執筆者の写真SIJIHIVE Team

ダンスミュージックで翻訳が進む?BGM を変えて新たな生産性を切り拓こう

コロナがきっかけで増大した在宅勤務で高い生産性を維持できるかはセルフマネジメントがカギだといわれています。


マネジメントする対象にはさまざまなものが含まれます。工程管理、勤務時間、他のチームメンバーやクライアントとのコミュニケーション、さらには自宅がオフィスになるために働く環境も自分でマネジメントする必要があります。子どもも家にいて絶えず話しかけてきたり、一緒に遊びたがったりするなど、作業環境のマネジメントに苦慮しているという方もいらっしゃるかもしれません。


自宅ならではの難しさもいろいろとありますが、在宅だからこそオフィスにはできない自分なりの環境づくりも可能です。その1つが「仕事中の BGM」を選ぶことです。



BGM で仕事ははかどる?


人によっては静寂の中でキーボードのタイピングの音を聞きながら仕事をした方がはかどるという方もいらっしゃると思います。しかし、専門家によると作業に適した音楽を聴くことで大脳辺縁系が刺激され、やる気と関係しているドーパミンが分泌されるとのこと。逆にストレスホルモンであるコルチゾールの分泌レベルは下がるそうです。


また、オフィスでは他の人の電話や雑談の声、在宅でも外から聞こえてくる騒音によって気が散ることがありますが、音楽を流すことにより同じ周波数の音が相殺され、作業に集中しやすくなる「マスキング効果」があるといわれています。


単純作業や高度な知的作業にかかわりなく、BGM があるほうが作業効率が高かったとの報告もあります。たとえば、興味深いことに医師が手術中に音楽をかける確率はかなり高く、イギリスでは何と 72% に上っているようです。アメリカでは手術室に音響設備を設置して、気持ちを落ち着かせたり、高めたりするために音楽をガンガンに流したりしている外科医も少なくないとのこと(もっともこれがコミュニケーション障害になるリスクも指摘されていますが…)。人の命を預かっている医師たちがこうして BGM を活用しているとなれば、このポジティブな効果を在宅でも利用しない手はありませんよね。



大切なのは適切な音楽を選ぶこと


ただ、お気づきかと思いますが、上述した研究結果はいずれも「適切な BGM」を流した結果です。自分が好きな音楽を大音量で流す場合、モチベーションは上がるかもしれませんが、集中できるとは限りません。


イギリスの独立研究機関 Mindlab International の調査によると、88%の人が「音楽を聴きながら作業した」ことで作業の正確性が増し、81%の人が作業スピードが上がったということが証明されています。


しかも、作業の種類によって最適な音楽のジャンルも異なるようです。例えば…


・校正作業にはダンスミュージックが最適。作業速度は20%向上し、スペルチェックの正確性も BGM なしの68%から75%までアップ。(翻訳家、チェッカーの皆さんは要チェック!)


・数学の問題を解く際はクラシック音楽が最適。参加者の正答率は73%に。


・正確なデータ入力にはアンビエントミュージックが最適。BGM により作業員は92%の正確性で入力できるように。


ダンスミュージックの効果


中でも面白いのは、音楽のテンポと作業スピードがシンクロするということです。

テンポの速いビートで知られているダンスミュージックを聴きながら仕事をすると、校正作業に関わりなく作業効率が上がるとの報告もあるそう(!)。ある研究によると、ダンスミュージックを聞きながらの仕事と、何も聞かない場合または他のジャンルの音楽を聴いた場合を比較すると作業速度に明らかな相違があったとのことです。


また、上述の Mindlab によるとアンビエントミュージック、クラシック音楽、ポップミュージックと比較してダンスミュージックを聴きながらの作業はスピード向上だけでなく、正確性においても最もスコアが高かったようです。


ただ、どんなダンスミュージックを選ぶかに関して注意をひとつ。それは一部のタスクにおいて歌詞を含む音楽は不向きということです。それは作業中に脳が歌詞を理解しようとしまい余分のエネルギーを使ってしまうためで、歌詞なしを選ぶか、そうでなければ自分がすでに知っている曲を流すと脳が歌詞に惑わされることなく、予期しない感情が芽生えて作業効率が落ちることを避けられます。



記憶力勝負の場合は音楽なしがベター


作業の中にはマニュアルや契約書を熟読して内容に精通するようなものもあります。そうした新しい情報を記憶したり、理解したりする作業の場合は音楽なしの方がはかどるようです。音楽を聴くことと、記憶することで脳はマルチタスク状態になってしまうからです。


音楽をかけることでポジティブな感情が促進され、オフィス環境も良くなるからといって、社員がどんな仕事をしているかに関わりなくダンスミュージックを流し続けるのは問題かもしれませんね…。



音楽は効率とモチベーションをマネジメントする最強ツール


Mindlab の研究から分かるのは音楽と生産性の明らかな相関関係です。音楽を上手に活用することで一人ひとりがモチベーションをアップさせ生産性を高めることができれば、企業全体の業績向上にもつながることを考えると、単なる BGM に留まらない音楽の計り知れない力を感じます。


是非、みなさんも最強の BGM を見つけて、心地よい作業環境をマネジメントしてみてください。


参考サイト:

https://the1thing.com/2016/07/14/fine-tune-your-productivity-with-music/


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著者プロフィール

YOSHINARI KAWAI


2008 年に中国に渡る。四川省成都にて中国語を学び、約 10 年に渡り、湖南省、江蘇省でディープな中国文化に触れる。その後、アフリカのガーナに1年半滞在し、英語と地元の言語トゥイ語をマスターすべく奮闘。コロナ禍で帰国を余儀なくされ、現在は福岡県在住。


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