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執筆者の写真SIJIHIVE Team

ポピュラーだけど意外と知らない?!ハワイアンミュージックあれこれ

ALOHA! ハワイをこよなく愛する翻訳者兼フラ講師の板羽柚佳です。大好きなハワイをいつも感じていたいという思いから、ハワイアンカードを使ったカードリーディングセッションの提供やハワイの自然をモチーフにしたハンドメイドアクセサリーなどの製作販売もしています。


BGM はもちろんハワイアンミュージック。今回は、これからのシーズンにもピッタリな、癒しの音色を持つハワイアンミュージックの歴史やジャンル、有名なアーティストなどをご紹介します。

 

目次

 


1. ハワイアンミュージックとは?

ハワイの女の子がフラのティーリーフスカート、リーフハク、レイを身につけ、ビーチでウクレレを持っている

ハワイアンミュージックとは、先住ハワイ民族がハワイ諸島に居住し、何世紀もかけ伝統音楽文化を開花させたもの。そもそもは宗教的な色合いが濃く、文字を持たなかったネイティブ・ハワイアンが口承文化としてチャント(詠唱)で神話や自然環境、恋愛物語の伝説、詩などを表現したものが起源となっています。チャントは娯楽だけでなく教育の手段としても使われたり、チャントには欠かせないフラも踊られてきました。


そこに賛美歌のハーモニーやギターなどの西洋音楽の要素が加わってできたポピュラー音楽の一種で、現代フラの伴奏音楽として発達したのが現代のハワイ音楽です。


基本的にはスローからミディアムテンポで、メジャーコードや長調の曲が大半となり、優しい音色が特徴的です。楽器の編成は自由ですが、一般的にはハワイアン・ギター(スチール・ギター)を中心にウクレレ、ギター、打楽器群にボーカルが加わります。パートナーや家族、ハワイの自然への愛情を表現する歌詞が多いのが特徴です。


 

ハワイの主な楽器


ハワイアンミュージックで使用される代表的な楽器や伝統楽器をご紹介します。


 Lap Steel Guitar (ラップスチールギター)


ハワイアンギターとも呼ばれ特殊な奏法で演奏されるこのギターは、独特の滑らかな音色を奏でます。ハワイアンミュージックに欠かせない重要な楽器であり、独特のサウンドを作り出しています。

ハワイの音楽に使われるラップスチールギター、またはハワイアンギターを演奏する赤のアロハシャツを着たローカルのミュージシャン


Pahu Drum(パフドラム) 

木の幹とサメの皮で作られた神聖な楽器で、古典フラを踊る際に使う太鼓です。


色々なサイズが並べられた木の幹とサメの皮で作られる古典フラで使用されるハワイの伝統的な楽器パフ ドラム


Puniu(プニウ)

ココナッツからできた小型の太鼓で、フラダンサーが腿に結びつけて叩きます。


芝生に座りフラの衣装とリーフハクを付けたフラダンサーが、ココナッツで作られるプニウというハワイの小太鼓をファイバービーターで叩いている


Ipu Heke(イプヘケ)

瓢箪を乾燥させて作られた、チャンターが使う打楽器。


ステージで踊るフラダンサーとその後ろでイケプヘを演奏しながらチャントする2人の男性チャンター


2. 現代ハワイアンミュージックについて


トロピカルな植物を背景にエメラルドグリーンのアロハシャツとティーリーフレイを身につけてウクレレを弾く男性

Kaimana Hila(カイマナヒラ)』や『Hanalei Moon(ハナレイムーン)』などを代表とする、現在のハワイアンミュージックの形が出来上がったのは19世紀後半と言われています。20世紀に入り、レコーディング技術向上のおかげでハワイアンミュージックが海を渡り、アメリカ本土でも人気を博しました。しかし、1959年にハワイがアメリカの州になったことをきっかけにアメリカンポップ、ロックに人気が傾き、ハワイアンミュージックは観光客向けの音楽として扱われるようになり、一時衰退するに至ります。1970年代になると「ハワイアン・ルネッサンス」と呼ばれるハワイアンミュージックの黄金時代が到来し、再びハワイアンミュージックの人気が復活。その後、ハワイの文化と現代音楽の要素を取り入れ融合させながら数々のアーティストが名曲を生み出し、現在に至ります。


実はハワイアンミュージックには様々なジャンルがあります。


アイランドコンテンポラリー

伝統的なハワイアンミュージックに現代的アレンジを加えて聞きなじみの良いようにアレンジされた、わたしたちが思う典型的なハワイアンミュージックで、若い世代から年配の方まで幅広く愛されています。


コンテンポラリー

ロックやポップス、R&B やブルースなどといったジャンルと融合し、現代的な音楽のリズムやメロディラインでありつつ、ハワイアンの雰囲気を残したものが多いのが特徴。


ジャワイアン

1980年代から人気を博したジャマイカのレゲエとハワイアンミュージックを組み合わせたジャワイアンは、リズムはレゲエ、コードやメロディラインはハワイアンとなっており、キャッチーな歌詞が多くレゲエよりも明るくゆったりとした曲調で、伴奏にはウクレレが使われることが多いのが特徴です。ハワイでも人気のジャンルで、ジョシュ・タトフィや2001年にデビューした日本のユニット Def Tech(デフテック)などが有名です。


その他にもハワイアン・カントリー、ハパ・ハオレ(英語で歌う曲)など多岐にわたっています。また、毎年5月に開催されハワイのグラミー賞と呼ばれている「ナ・ホク・ハノハノ・アワード音楽業界だけでなくハワイの地元民全員が注目するハワイアン音楽界最高峰の祭典で、多くのスターたちを輩出しています。


第46回ナ・ホク・ハノハノ・アワードの詳細はこちら



 

3. ハワイを代表する曲 『Aloha ‘Oe(アロハ・オエ)』


ハワイのサンセットとビーチを背景にムームーを着てアコースティックギターを奏でるハワイの女性を描いたグラフィック画像

世界中で広く親しまれているこの曲はハワイ王国の第8代女王リリウオカラニ(Queen Lili'uokalani)によって作曲されました。ハワイ語で「我が愛をあなたに」または「さようなら」と解釈されているこの曲は、愛情や別れの感情を表現する歌として知られており、実は2つの背景があるいわれています。


一般的に受け入れられている説はリリウオカラニ女王が1878年にオアフ島北部のマウナヴィリで、ある少女と軍人の別れの光景を目撃し、それをヒントに曲を作ったという説。この説では、出会いと別れの感情が歌われています。


もう1つはリリウオカラニ女王が米国の侵略によって宮殿に幽閉され、ハワイ王国が終焉を迎える時期にこの曲を作ったという説。女王は米国勢力によって捕虜とされた多くの市民を救うために、自身の王位を犠牲にする決断をしたと言われています。この説では、女王の愛と悲しみが歌に込められているとされており、彼女の王国滅亡への感情が表現されています。いずれの説でも『Aloha ‘Oe(アロハ・オエ)』は非常にエモーショナルな歌としてハワイの文化や歴史に深く関連しており、その美しい旋律と歌詞は多くの人々に愛されています。

 


4. まとめ


ハワイのビーチで波に押し流されるカラフルなサーフボードとアコースティックギター、背景にあるサンセットやハイビスカス

実は長い歴史を持つハワイアンミュージック。時代の流れによって様々なジャンルが生まれてきました。一度は聞いたこともある有名曲も多く、その柔らかで心地よいサウンドに魅了されている方も多いかもしれません。のんびり過ごしたい時や作業用の BGM として、ぜひハワイアンミュージックを流して心癒される時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。


最後に、筆者がジョシュ・タトフィの名曲『Pua Kiele』とともに踊る動画をシェアして今回の記事の締めとします。





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著者プロフィール


YUKA ITAHA


テレビラジオ業界でナレーターとして25年、フラ教室主宰15年とエンタメ業界一筋で生きてきたが、コロナ禍をきっかけに長年の夢だった翻訳業務を開始。

ハワイへは年に数回渡航。日々変化していく生きた英語に触れながら、

異文化間の思考の違いや取り組み方の違いを肌で感じ、

その違いを相互理解しながら埋めていくための一助となるべく、目下、邁進中。



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