top of page
執筆者の写真SIJIHIVE Team

仕事意識が変わる!「ゾーン」で極限の集中力に達する方法


白のバックグラウンドに12時を指すシルバーと黒のフリップ時計(パタパタ時計)と、目まぐるしく回転する分の板

ひたすら目の前の英文を翻訳していたら、周りで起きていることにも気づかず時間が溶けてなくなったような経験をしたことがあるでしょうか?普段なら、半日はかかりそうな字数をわずか1時間くらいで終えてしまったことは?もし、心地よい疲れと高揚感に包まれながらも、内面は驚くほど静かな感覚があれば、それは「ゾーン」を経験したのかもしれません。

「ゾーン」を「いつやってくるか分からない稀有な経験」ではなく、もし自由自在に手に入れる方法があれば、誰でも知りたいはずです。過去のブログでも、極限の集中状態を手に入れる方法を解説してきました。


こちらの記事もチェック!


今回は「ゾーン」というキーワードを切り口に、最高のパフォーマンスを発揮するための具体的なステップについて解説します。


翻訳者にとって「ゾーン」とは?


黒のバックグラウンドに足とムドラーを組み瞑想するノームの置物

翻訳者にとって、今回のテーマである「ゾーン」と、過去の記事で取り上げた「フロー」はほぼ同義と考えて良いでしょう。実際、「フロー」の提唱者である心理学者のミハイ・チクセントミハイは本質的には同じものだとしています。


アスリートの中にはゾーン体験を「ボールが止まって見えた」「ゴールを決めるまでの道筋が完璧に見えた」「他のプレイヤーの動きがスローモーションのように見えた」と描写する人たちがいます。


そこまでの感性体験を含むとすると、ゾーンに至るまではかなり敷居が高いように感じます。しかし、翻訳者にとってはそこまでの体験は必要ないでしょう。むしろ PC に望むのは、複数のソフトを開いていても止まらずにサクサク動いてくれることですよね...。



ゾーンは波のようにやってくる


では、どうすればゾーン状態に入れるのでしょうか?知っておきたいのはそれはは突然「降って」きたり、「下り」たりしてくるのではなく、波のようにやってくるものだ、ということです。


高い集中力がキープされるゾーン状態に入る前の精神状態を表した図

出典:マイナビキャリアリサーチ Lab


上の図にも示されるように、高い集中力をキープできるゾーン状態の前後には必ずリラックス状態があります。「ゾーンに入る」というと、集中力をじりじりと高めていくイメージがありますが、緊張状態だけでは達することはできません。そのため、逆説的に聞こえるかもしれませんが、ゾーンに到達したければ、リラックスを意識しなければならないのです。



ゾーンに入る3つのステップ


オレンジとブルーの空と、岩の様なところから両手足を離す技を決めるフリースタイルモトクロスの選手


以下では、ゾーンに入るための3つのステップを見ていきましょう。


脳に負荷をかける


なかなか入るのが難しいといわれるゾーン状態に毎回入ることができる人たちがいます。それがエクストリームスポーツの選手たちです。毎回、死と隣り合わせの危険を感じながらプレイする彼らの脳には極度のストレスがかかりますが、それがゾーンに入るためのトリガーになっているのです。


もしかしたら、過去に「納期に間に合わず、この案件を落としてしまったら終わりかも...」という思いをしながらがむしゃらに翻訳やレビューに取り組んだ経験がある人がいるかもしれません。きっとその時の集中力たるや尋常ではなかったはずです。それこそまさに「ゾーン」です。しかし、そんな寿命が縮まるような経験は頻繁にしたくありませんよね...。


では、どうすれば通常の業務で脳に負荷をかけられるのでしょうか?


それは、何となく仕事を始めるのではなく、机に座って PC に向かったら、これからやるべき仕事の納期やノルマを明確に意識することです。


この時にとても大事なことは、脳にストレスをかけなければならないということです。仮に納期が3日後だとしても、絶対に今日中にやる、やらないと期日に間に合わない!と脳に言い聞かせます。「明日もあるじゃないか」とか「できたら今日中に」では、脳には負荷がかかりませんから、ゾーンには入れません。


リラックスする


最初に緊張状態に入ったら、一気にリラックスします。リラックスするのにおすすめなのは、過去の記事「集中力を高める呼吸法」で紹介した「4-7-8呼吸法」です。もっと簡単な呼吸法に、予防医学研究者の石川善樹氏がすすめる「3-2-5呼吸法」もあります。これは3秒吸って、2秒溜めて、5秒ゆっくり吐く、というもの。自分に合った呼吸法を見つけてみましょう。繰り返しになりますが、緊張のあとのリラックスが大事です。


目の前の行為に集中する


スポーツでもそうですが、集中する対象はあくまでも「目の前の行為」です。行為の先にある結果をイメージしてしまうと、ゾーンには入れません。よくサッカーの中継を見ていると、PK の場面で傍目からみても不安そうな選手がいます。その目の奥には、自分が蹴ったボールがゴールの枠から外れる光景が映っていることでしょう。その場合、不安はほとんどの確率で的中してしまいます。


同じように翻訳の仕事をしている時も目の前の作業に没入しましょう。注意をそらす連絡の通知などをオフにすることはもちろんのこと、内側から湧き上がってくる「ざわざわ」にも対策が必要です。不安や落ち着きのなさが集中する妨げになっているなら、その原因を観察・分析して対処しておくことも重要でしょう。


リラックスが欠かせない


以上の3つのステップに加えて、最後のリラックス状態も欠かせません。そのため、ゾーン状態で仕事をした後は、意図的にスイッチを切ってオンとオフの切り替えをしましょう。いったん席を離れて散歩してみる、豆を挽いてコーヒーを淹れる、ネコを撫でてあげるなど、方法はさまざまです。



まとめ~ゾーンに入るのは決して難しくない!


プロという点ではアスリートも翻訳者もまったく同じです。限られた時間の中で最高のパフォーマンスを出すためには、工夫が必要になります。おすすめしたいのは、以上の一連の流れを「儀式」化することです。


よく知られているように、ここぞという時に計り知れない集中力を発揮するアスリートたちには自分なりに決めた「儀式」があります。それによって、ゾーン状態に入ることができるのです。翻訳者も PC に向かい電源を入れたら、これから数時間内にしなければならない仕事を明確にしましょう。呼吸を整えたら、一気に集中モードです!



参考サイト:



=========================================

著者プロフィール


YOSHINARI KAWAI


2008 年に中国に渡る。四川省成都にて中国語を学び、約 10 年に渡り、湖南省、江蘇省でディープな中国文化に触れる。その後、アフリカのガーナに1年半滞在し、英語と地元の言語トゥイ語をマスターすべく奮闘。コロナ禍で帰国を余儀なくされ、現在は福岡県在住。


閲覧数:383回0件のコメント

Comments


bottom of page